蕎麦の美味しい食べ方
お蕎麦は生き物です
一昔前よりは製粉技術も冷蔵技術も飛躍的に向上しましたが、何と言っても三立てが一番です。
つまり挽き立て、打ち立て、湯がき立てです。
朝挽いた蕎麦粉と小麦粉(強力粉)を8:2の割合で打ったもの(二八そば)、または蕎麦粉十割で打ったもの(十割そば)を注文が入ると同時に湯がきお客様に提供する。それを間髪をおかずに召し上がるのが一番です。通の人は調理場から一番近い席に座られる方もおられます。
打ち方
まずは蕎麦粉選びです。
美味い蕎麦を打つには技術も必要だが、良い原料の粉を手に入れなければ話になりません。
産地の土壌や気候によっても蕎麦粉の出来は大きく変わってくるので、蕎麦粉の吟味は何よりも大切です。
蕎麦粉のことを語りだすと紙面が長くなりますので(ここでは美味しい食べ方の記事)別の所に書かせてもらいます。
厳選した蕎麦粉を水回し→くくり→練り→菊もみ→へそ出し→延し→たたみ→包丁へと熟練した技で打ちます。
美味しいお蕎麦の湯がき方(ゆで方次第で蕎麦は生きて立つ)
こうして打ちあがったお蕎麦を湯がいていきます。
コツはたっぷりの熱湯で素早く湯がく事です。(鍋が小さくお湯の量が少ないと蕎麦を入れたときに急激に温度が下がってしまい蕎麦が団子状になってしまいます)
蕎麦は繊細に優しく扱い、パラパラとほぐしながら、静かにお湯の中に入れることです。
そして菜箸で蕎麦を泳がせる様に回します。茹で時間は約 40 秒です。素早くザルで引き揚げます。(くれぐれも火傷にはご注意ください)
用意しておいた水の入ったボウルにザルごと入れ流水を注ぎ乍ら蕎麦のぬめりを取るように優しく洗い蕎麦を冷やします。
次にザルをボウルにボウルから上げて水を切ります。ボウルに今度は氷水を入れ再びザルを浸けて蕎麦をキュッと締めザルを上げて器に盛りつけて完成です。
美味しいお蕎麦の食べ方
基本的にはお蕎麦は湯がきたてが身上です。
一秒でも早く召し上がって下さいませ。
お蕎麦そのものの風味を味わいたい方はお蕎麦に少しお塩を降ってお召し上がり下さい。
鼻に抜ける蕎麦の香りと喉越しをお楽しみ下さい。
次に蕎麦つゆにを絡ませていただきます。蕎麦つゆの作り方は関東と関西で違いは別の項でお話したいと思いますが、お好みの薬味(山葵、刻み葱、茗荷、刻み海苔、大葉等)添えて食べると実に美味い!
この食べ方にいろいろ言う方もおられます。山葵は蕎麦に直接乗せる!七味を蕎麦に降た方が甘みが引き立つ!葱を入れるタイミングはいつだ!とか、もうウンザリ!私は好きな時に好きなものを入れて食べるのが一番だと思います。
蕎麦って本来もっと気軽な食べ物ではないでしょうか?と最近は思うようになってきました。
皆様はいかがですか?
次にそばの美味しい食べ方の相棒として私は「天ざる」を選びます!
ピンと気をつけをしてしっかり衣の付いた海老天(衣は料理屋で出てくる薄い衣ではいけません、それは天つゆにしっかり絡まないからです。)そして鱚天、穴子天、茄子、青唐、南瓜、板海苔等々、考えるだけで食べたくなってきました。
次のお勧めは「鴨せいろ」。
熱いタネものの「鴨南ばん」もいいですがここでは「鴨せいろ」。
蕎麦つゆを鍋で温めて程よく脂の載った薄切りを薄切りをした鴨肉と少し焦げ目を付けた、しろねぎを投入!鴨肉がほんのり色が変わったらお椀に移し、そこに粉山椒を振ります。
柚子皮があればなお結構。
そこに茹でたてのキリっと締めたお蕎麦を浸けていただきます。
とてもとても幸せな気分になれます。
まだまだ美味しいお蕎麦の食べ方はありますが本日はここまで!